Think Globally Act Locally
「地球規模で考えて、地域で行動しよう」
COVID-19 の新型コロナウィルス対策では、「感染症」という地球規模の拡大を考えて、経済行動などは厳しく制限され、「水際対策」などといった国境移動の制限などにより、実質的に「地域で行動」せざるを得なくなっている。奇しくも、国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs) の目標の中にも、
3.3 2030 年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
とあり、我々の目指した目標が何だったのだろうか?ということが問われている。本来、グローカル (Glocal) 人材とは、最初にあげたコンセプトを体現できる人間であったように思う。この COVID-19 の自粛生活は Glocal 状況を強制的に作り出してしまったのではないか?と思っている。
日本においては関東地域以外においては緊急事態宣言が解除されてきた中で「新しい生活様式」が提唱され、今後、「変わらなければならないもの」、「変わっていくもの」、「変わらないもの」に大別されていくのであろう。確かに緊急事態宣言下や強制ロックダウンをしている中では、COVID-19拡散防止という地球全体の課題に対して Act Locally を体現してきたのだと思う。
リモートワークでの仕事が慣れてきた皆さんは「オンライン会議」が増えてきたのだと思います。ただ、テクノロジーで乗り越えられない壁がいくつかあると思っている。今回、顕著になってきたのは「時差」の問題である。
「科学の普遍性」があると思われる研究分野においては、本来的に学術が出来る場所は関係ないと思われている。もちろん研究環境によって成果の出やすいもの、出にくいものがあるのは事実だと思うが、研究者自身の能力・努力・運にもよるところが多いと思う。こういう事態になると、「オンライン会議」は様々なところで立ち上がり、一部ではあるが、「オンラインセミナー」のまとめサイトなるものが立ち上がっている。気軽に出席出来るという利点や「録画機能」を使い、後で最新の研究動向をチェック出来る機会も増えてきた。
一方で、「セミナーの開始時間」はあまり変わることがない。研究者人口が多いのか分からないが、きちんとオンラインセミナーが整備されているのは良くも悪くも「欧米中心」である。そのため、開始時間が日本時間で深夜になることは日常的である。そのため、リアルタイムに出席している日本人研究者をあまり見かけることがない。これ自体は仕方ないことであるが、欧米中心で学術動向が依然として推移している証左にも思える。科学技術大国になりつつある「中国」など日本との時差が小さな範囲で学術的にもアクティブなところが沢山あると思う。
歴史的な経緯があるのは事実であるが、「地政学的」な利点を最大限に活かすことが出来、真の「グローカル」人材になれる日は来るのだろうか?
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