データダイエットへの協力のお願い:遠隔授業を主催される先生方へ(イラスト版) 出典:国立情報学研究所 |
「データダイエット」
このネーミングは、4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム実行委員会という名義で「お願い」という形で出されました。その一行目は原理原則だけど、忘れやすいことを言っています。
情報通信回線は全国民が共有する有限の資源です。
「有限の資源」であるということを言っているのは、当たり前ですが非常に重要だと思います。「どれくらい出来るのか?」ということを突き詰めていく学問が、個人的には「情報科学」という学問分野になるのだと思います。通信容量に関しては、「情報科学の父」であるクロード・シャノンによって定式化されました。現在では、「シャノンの通信路符号化定理」と呼ばれており、理論的な限界値を「シャノン限界」と呼んだりしています。ある種の「情報」というものに対する「限界」を定めていくのが、情報科学の面白い点だと個人的には思っています。なかなか準備の進まなかった「授業のオンライン化」に対して、今回の「コロナ自粛」では一気にそのオンラインプラットフォームを活用していかなければならない状態になっています。すると、「オンライン上での渋滞」というのが発生し、「インターネット」という一見するとバーチャルな空間だったものが、きちんと「物理的な」(今回だったら、ネットワークケーブル)というものによって律速させられているというのを教えてくれています。個人的な理解では、量子力学という「物理法則」を用いて「情報科学」の本質だと思っている「定量的な限界」というものを示していくということが「量子情報科学」と呼ばれる学問分野なのだと思っています。私は、この「量子情報科学」という学問分野の中で研究を行っています。「量子コンピュータ」の開発がブームとなり、たまに分野の概観をするようなアウトリーチ活動を行っていますが、その中で協調させていただいているのは、「量子力学の法則を使って、「計算」の限界」を知る学問が、「量子計算機科学」であるのではないか?とお話しさせていただいております。
では、一体、どれくらいの通信容量が増えているのでしょうか?少し調べてみると、日本国内では大手のNTTコミュニケーションズが「インターネットトラフィックの推移」をまとめていただいています。どの時間帯が良いのかという指針にもなるかもしれません。実際に「実測された生データ」が様々集まってきていますので、今後、このような「生データ」をどのように活用していくのか?ということが重要になるのでははないでしょうかね?
そのような「生データ」やオンライン授業のプラットフォームが形成されている「インターネット空間」は、どのようになっているのでしょうか?その理念を以前教わった時に以下のように教わりました。
インターネットは性善説で出来ている。
ネットワーク攻撃などは目の見えない形になっていますが、「性善説」だからこそ、一部の人たちの「悪さ」みたいなものが目立ってしまうという理念のもと設計されています。インターネットの精神性そのものは、「皆で皆を守る」というものなのかもしれません。この理念こそ、今の新型コロナウィルス対策に必要な根本的な考え方ではないかと思っています。
でも、一方で「出来ないよ」という思われる方もいらっしゃるかもしれません。今回の「ダイエット」というネーミングは非常に素晴らしいと思っています。自分自身を思い返してみても、「自分自身の強い意志」がなければ、ダイエットは出来ません。自分で自分自身を追い込まなければならないからです。そのためには、一定度の「安定」が必要な気がしています。仕事が凄く忙しい時期に「断食ダイエット」など出来ませんし、もし、それでも強行したら倒れてしまいます。「ダイエットも出来る時にしか出来ない」と思うからです。そして、「出来る余裕のある人から」ダイエットしていけば良いのかなと思っています。「データダイエット」も同じです。やっている事例を見て勉強するのは良いと思いますが、「無理のない程度に」データダイエットすることが重要なのではないかと思います。
出来る事を出来るだけ
という精神が重要な気がしてなりません。今後とも無理しない程度にコロナ自粛生活を送っていきたいと思います。
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